何事もなかったかのように始まったっていいじゃない
[本]書店ガール
- 作者: 碧野圭
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/03/16
- メディア: 文庫
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素直は最強。
人のことが気にくわないという思いを、そのまま書ける作者がすげぇ。
私が普段読んでいる本がそういうのだからかもしれないけれど、あいつのことが嫌いだとか、気にくわないとか、何の気なしに陰口を言うとか、悪い噂話をするとか、そういう感情がするりと自分の中に入ってきてしまって、ものすごく困惑した。
ものすごくナチュラルに醜い感情をこぼれさせる彼ら。そういう思いを持っちゃ、ましてや言っちゃ駄目だろうという私の理性を真っ正面から突き崩す。
このまま読み進めていいかどうか、すごく迷った。
それだけに、亜紀がすっきりさっぱりと理子と休戦するシーンはかえってものすごく戸惑った。
でも、すごくわくわくした。先を読み進めるのがもったいなく感じるくらい。
変わる亜紀のことを尊敬に近い目線で見ながら、自分はどうしようもなく理子に感情移入しながら読んだ。本に対する接し方も、恋愛への向き合い方も、私は理子側だ。宮部みゆきなんかメジャーすぎて手に取ったこともない。
誰も知らないような本を一人で手にとって、にやにやしたいのだ。細田監督が盤石の地位を手に入れつつあって、映画が面白くてもときめかなくなってしまった。
やっぱり素直は最強だ。
それから、紙の本はやっぱり良い。どうしたって良い。でじたるなんかめじゃないぜ。