ねずみ

今日の夢は、いつもとはちょっと毛色が違いました。
うちはロンドン辺りの地下鉄駅構内のホームで、ホームレスをしていました(なんだこの設定)。
朝のラッシュの時間、階段脇に寝そべっている私のすぐそばを、大量の人々が電車に向かって駆け抜けてゆきます。
私が、おーおー、みんな毎日大変だなぁ、などと思っていると、私の荷物に足を取られた少年が一匹の白いネズミをホームに落としました。
人混みの足下で、何人もの人に踏まれかけるネズミ。
私が少年の方を見上げると、満員電車で身動きの取れない少年は請うような視線で私を見つめ、電車とともに去ってゆきました。
あーどうするかなぁ、と私が考えた時にはもう、白ネズミは排水溝の中へ逃げてしまった後でした。
ま、いっかぁ、と、私が荷物をまとめて駅を出ようとすると見知らぬ青年が近づいてきて
「おいあんた、ひどいじゃないか。ネズミを拾ってやらないのか」
と言いました。
見られていたのか…。むっとして私は、
「拾うよ。拾うけどネズミがもういないじゃないか」
と言いました。
すると青年はにやっと笑い、
「それなら大丈夫、おれはネズミの行った場所がわかるぜ。連れてってやるよ」
青年は有無を言わさず私を引っ張り駅を出ました。
連れて行かれた先は、口の広い井戸のような、煉瓦造りの縦穴。距離・角度共に、先ほどネズミが逃げて行った下水と繋がっている気がしません。
しかし青年はぐずる私を無理矢理縦穴に押し込みました。
降りてみると案外と中は広く、青年と私が二人並んで立てるほどの広さがありました。
枯れ葉に覆われた床の上には、見つけてくれと言わんばかりに先ほどの白ネズミがいたのですが、私にはその先にある通路に目を奪われていました。
そこには人一人が楽に通れるほどの穴があり、そこにわだかまる薄い闇は蠢くように私を誘っていました…

ここでおわり。目が覚めちゃった。
このまま続きがあったらピカレスクロマンになるのかな?
誰か、続き書いてくれない?