GENJI源氏物語

GENJI 源氏物語 4 (クイーンズコミックス)

GENJI 源氏物語 4 (クイーンズコミックス)

 私のわりと好きな漫画家さんの描く、源氏物語。これで最終巻だったんだけれど、ちょっとがっかり。うちはこの人のまっすぐにいこう。 1 (集英社文庫(コミック版))のシリーズが好きなんだけれど、何で好きかって、それぞれのキャラクターの飾らない素直さが好きだと思ったんだよね。どれくらい飾らないかって、ヒロインが美人じゃない引っ込み思案で鬱々と考え込んでいたり、その彼氏は後輩にヒロインをあっさり取られてしまったり、とにかく全部のキャラがかっこよくない。それを、情けなくない感じにさっぱりと描いているところが綺麗だと思ったのです。
 が、源氏物語は…まず、源氏がヒーローなんだよね。どんなに情けないことをしても絶対に女がついてくる。かっこわるくならない。むしろ、何もしていない周囲の人間がかっこわるくなってしまう。
 これ…向いてないんじゃない?絵柄的にも素朴な絵を描く人だし、そこまで圧倒的なヒーロー像が描ききれていない気がするのです。光源氏がかっこよくなれない分、代わりに紫を落として釣り合いを取っている気がする…紫がすごくかわいそうな子に見える。無意識にあさきゆめみしと比べちゃっているからこんな感想になるのかな?
 なんか色々と、納得がいきません。